富岡多惠子論集
「はぐれもの」の思想と語り
水田宗子(みずた・のりこ) 編
水田宗子/北田幸恵/長谷川 啓/デイヴィッド・ホロウェイ(和智綏子・訳)/リー・エヴァンス・フリードリック(和智綏子・訳)/与那覇恵子・著
再び台頭する若い世代の差別への抗議に応えジェンダー制度を見つめ直した一冊
制度化された生と性の物語に回収されることを拒否する富岡多惠子のはぐれものたち――本書は、富岡文学の前衛性を明らかにし、差別の構造を解体するラディカルな表現を分析したフェミニズム批評である
小説家、詩人、評論家。1935(昭和10)年大阪市生まれ。大阪女子大学卒。
最初の詩集『返禮』でH氏賞を受賞。詩集『物語の明くる日』で室生犀星詩人賞。1971年頃、詩から小説へ転じると、『植物祭』で田村俊子賞、『立切れ』で川端康成文学賞受賞。
生と性にまつわる独自の鋭い批評性をもつ。
『冥途の家族』(女流文学賞)、『芻狗』『動物の葬禮』『当世凡人伝』『環の世界』『斑猫』『波うつ土地』『逆髪』『水上庭園』『ひべるにあ島紀行』(野間文芸賞)など著書多数。
『行為と芸術』『詩よ歌よ、さようなら』『闇をやぶる声』『女子供の反乱』『西鶴のかたり』『近松浄瑠璃私考』『中勘助の恋』(読売文学賞)『西鶴の感情』(伊藤整文学賞、大佛次郎賞)『室生犀星』『釋迢空ノート』(紫式部文学賞、毎日出版文化賞)など評論も多く、上野千鶴子らとの鼎談集『男流文学論』はフェミニズム批評においても話題となる。
比較文学者(アメリカ文学、比較女性文学、ジェンダー文化論、現代詩批評)、詩人。
主な著書に『Reality and Fiction in Modern Japanese Literature』『エドガー・アラン・ポオの世界』『鏡の中の錯乱─シルヴィア・プラス詩選』『ヒロインからヒーローへ』『フェミニズムの彼方』『物語と反物語の風景』『20世紀の女性表現』『ことばが紡ぐ羽衣』『女性学との出会い』『尾崎翠[第七官界彷徨]の世界』『モダニズムと戦後女性詩の展開』『詩の魅力/詩の領域』など多数。
詩集『春の終りに』『幕間』『帰路』『青い藻の海』『影と花と』『水田宗子詩選集』『うさぎのいる庭』『音波』他物語詩三部作など。
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