大庭みな子 響き合う言葉
与那覇恵子 編著
大庭みな子研究会 著
1968年に『三匹の蟹』で鮮烈なデビューを果たし、芥川賞を受けて以来40年近くにわたって独自の新しい文学を発表しつづけてきた大庭みな子。歿後10年、彼女の作品は先端的な意味を帯びて、再び甦ろうとしている。
本書は大庭みな子とその作品に敬意を惜しまない現代文学研究者たち(大庭みな子研究会・代表与那覇恵子)18名による論考を中心に、みな子が学友に宛てた二十歳前後の手紙(未発表)、藤枝静男との往復書簡、夫との間に交わされた誓約書、遺書(ともに現物の写真を収載)、さらには夫、大庭利雄氏の日記などを集録した画期的なアンソロジーである。
1930年東京生まれ。津田塾大学英文学科卒業。
アラスカで本格的に執筆を始め、1968年「三匹の蟹」で群像新人文学賞・芥川賞受賞。
著書に『がらくた博物館』(文藝春秋、女流文学賞)、『浦島草』『霧の旅I・II』(ともに講談社)、『寂兮寥兮』(河出書房新社、谷崎潤一郎賞)、『啼く鳥の』(講談社、野間文芸賞)、『津田梅子』(朝日新聞社、読売文学賞)、『浦安うた日記』(作品社、紫式部文学賞)。日本芸術院会員。
1996年、脳梗塞による、左半身不随で車椅子生活になるも、夫の協力を得て、その後も著述を行う。2007年5月24日逝去
1952年生まれ。東洋英和女学院大学国際社会学部教授。女性文学会・大庭みな子研究会代表。
著書・共著・編著に『現代女流作家論』(審美社)、『大江からばななまで』(日外アソシエーツ)、『戦後・小説・沖縄』(鼎書房)、『後期20世紀 女性文学論』(晶文社)、『文芸的書評集』(めるくまーる)など。
他に、『女性作家シリーズ』(角川書店)、『テーマで読み解く日本の文学』(小学館)、『三枝和子選集』(鼎書房)、『大庭みな子全集』(日本経済新聞出版社)の監修・編集に関わる。
赤松良子/市川紘美/上戸理恵/エマヌエラ・コスタ/遠藤郁子/太田美穂/川勝麻里/久保田祐子/谷優/谷口幸代/タン・ダニエラ/ドナテッラ・ナティリ/西井弥生子/羽矢みずき(はや)/藤田和美/宮内淳子/山田昭子
(敬称略)こんな本もいかがですか?