文芸的書評集
与那覇恵子 著
早くから近現代文学の批評的研究に取り組んできた著者が、ここ30年にわたって主に文芸の注目すべき女性作家の作品に目配りし、書き継いできた書評を集成。
1980年代以降の現代女性文学の動向と傾向-女のセクシュアリティ、ジェンダー思想、フェミニズムの風景、家族関係の変容、言葉(言語)の可能性などに着目した20世紀後半から21世紀にかけてのある文芸的見取り図とも云うべき書評集。
沖縄を舞台にし、テーマにした作を、沖縄出身者ならではの視点から解読し、紹介する。
本書は大庭みな子とその作品に敬意を惜しまない現代文学研究者たち(大庭みな子研究会・代表与那覇恵子)18名による論考を中心に、みな子が学友に宛てた二十歳前後の手紙(未発表)、藤枝静男との往復書簡、夫との間に交わされた誓約書、遺書(ともに現物の写真を収載)、さらには夫、大庭利雄氏の日記などを集録した画期的なアンソロジーである。
取り上げた主な作家
大庭みな子/河野多惠子/三枝和子/津島佑子/井上光晴/蓮實重彥/金井美恵子/小川洋子/秋山駿/佐伯一麦/上野千鶴子/中上健次/山本道子/筒井康隆/水田宗子/小谷真理/村田喜代子/津村節子/佐藤愛子/髙樹のぶ子/奥泉光/稲葉真弓/山田詠美/山本昌代/多和田葉子/川上弘美/加藤幸子/柳美里/吉本ばなな/富岡多惠子/増田みず子/田辺聖子/坂東眞砂子/木崎さと子/町田康/林京子/荻野アンナ/大道珠貴/曾野綾子/井上荒野/綿矢りさ/舞城王太郎/中村うさぎ/笙野頼子/中上紀/星野智幸/角田光代/金原ひとみ/桐野夏生/江國香織/瀬戸内寂聴/林真理子/中島京子ほか
沖縄関連
田場美津子/森禮子/崎山多美/大城立裕/三木健/上原栄子/目取真俊/池上永一/原田マハ/高橋義夫/中程昌徳
1952年生まれ。東洋英和女学院大学国際社会学部教授。女性文学会・大庭みな子研究会代表。
著書・共著・編著に『現代女流作家論』(審美社)、『大江からばななまで』(日外アソシエーツ)、『戦後・小説・沖縄』(鼎書房)、『後期20世紀 女性文学論』(晶文社)、『文芸的書評集』(めるくまーる)など。
他に、『女性作家シリーズ』(角川書店)、『テーマで読み解く日本の文学』(小学館)、『三枝和子選集』(鼎書房)、『大庭みな子全集』(日本経済新聞出版社)の監修・編集に関わる。
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